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佐々木松楽-1 黒楽 正面と背面 [楽・京]

佐々木松楽01_01
佐々木松楽01_02
 成雲軒昭楽窯・佐々木松楽の黒楽茶碗です。私が初めて買った楽茶碗です。

 昭楽窯の作品には「昭楽」印の物と「松楽」印の物がありますが、これは「松楽」印の作品です。昭楽窯の当代は三代目の佐々木昭楽で、当主の個人作等には「昭楽」印が押されているようです。一方の「松楽」印は、工房の職人による規格品・普及品に押されているようです。ですから、今回の茶碗は規格品・普及品という事になります。確かにそういう価格でした。(笑)

 抹茶茶碗をコレクションして行くに当たって、千利休の指導によって作られ始めた楽茶碗は、ほとんど抹茶専用、と言うより千家流茶道専用の焼物として、一つは押さえておきたい茶碗です。けれども、楽焼の本家本元(本窯)の楽家歴代・楽吉左衛門の作品は、中古であっても非常に高額で、しかも偽物が大量に出回っているように見えるので、なかなか手が出せません。

 他方、所謂「脇窯」と呼ばれるその他の工房による傍流の楽焼は、比較的リーズナブルな価格になっている上に、写真で見る限りにおいては本窯の作品と茶碗としてそれほど遜色がないように見えます。それなら脇窯の安い茶碗でいいんじゃない? という訳でコレです。

 正面(上写真)の設定は、向かって左90°に窯印が来る事を基準にしています。そうすると白色の部分が最も多く見えて景色に一番動きがあるので、作者の意図でもここが正面なのでしょう。千家流茶道のルールにきっちり乗せてあるのが良く分かります。

 一方、背面(下写真)は背面らしく、端っこに白色が見える意外は色彩的にペタンとしています。箆によって削られた造形も、正面に比べるとやや単調です。

 釉調は細かな凹凸がありながらもツヤツヤで、白と黒のシックな色調の筈なのに、光の当たり具合によってはキラキラと派手に光り輝きます。ですから、伝統的な薄暗い茶室の中で使わないと、この茶碗は「侘び寂び」の風情を纏わないように思います。別の言い方をするならば、伝統的な茶道の世界の外で使う場合、この茶碗の景色は「侘び寂び」とは異なる別のニュアンスを纏っているように感じます。

つづく








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