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茶の湯雑感 ブログトップ

動画紹介「樂家15代当主 樂吉左衞門-樂茶碗に込められた伝統を語る」 [茶の湯雑感]



 大変に興味深い動画を紹介します。十五代・楽吉左衛門が楽茶碗について語ったビデオです。

 この語りの中で、私にとって重要な言葉が幾つか出てきます。
 「微妙な揺らぎ」
 「揺らぎの中に自然と一体になって行く思想が入って行く」
 「揺らいでいる物というのは、人間の心をそこに託す事が出来る」
 「焼物というのは、最終は自然に託すという姿勢」
 「非常に強く出た自己表現の部分を、最後は自然の火の中、自然の中に託する」
 「そこには、同じという事はないし、偶然性の中に晒されるし、大変なハプニングの結果がそこに生まれて来る」
 「(焼物というのは)自我の世界ではなくて、何か自我を越えた祈りの世界と繋がっている」

 私自身、抹茶茶碗の魅力は、人の計画性や規則性と自然の偶然性や不規則性が混ざりあった所に生まれる美しさや癒しの風景だと感じています。十五代・楽吉左衛門の上記の言葉は、私のそうした感覚を別の言葉で言い表しているように感じます。

 そして、十五代・楽吉左衛門の言葉の中には「侘び・寂び」という単語が全く出て来ません。私が抹茶茶碗に感じる美しさは、「侘び」でもなければ「寂び」でもない。そもそも、他の茶よりも明らかに高価な抹茶を、他の器よりも明らかに高価な抹茶茶碗で喫する事自体、その時点でもう既に「侘び」てもいなけりゃ「寂び」てもいない、生きて行く上で必須だとは言えない「趣味」「道楽」「遊び」の世界、派手で楽しい行いだと私は感じています。抹茶茶碗の美しさは、私にとっては「侘び・寂び」ではないのです。十五代・楽吉左衛門の言葉は、私のそうした感覚も言い表しているような気がします。

 まぁ、そんなこんなで。ちょっと余談でした。(笑)







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はじめに その3 [茶の湯雑感]

波多野善蔵01_01 そういう訳でこのブログを始める事にしました。

 このブログでは、主に抹茶茶碗について書きます。メインは、私が所有する茶碗について写真で紹介しつつ、その記事を書いた時点での私の所感を、出来るだけ詳細に記録して行く事です。このブログは、私の私的なコレクション目録を兼ねていますので、そういった内容になります。

 また、茶碗の記事の他に、茶碗や陶芸、抹茶に関わる雑多な事柄についても、その時点での私の思いを書いて行く事にもなりそうです。この辺、言いたい事は山ほどあります。・・・いや、そんなにないかも。(笑)

 ブログの更新は、週に1回を目標にしています。ネタがそんなに沢山ある訳ではないので、これくらいのペースが限度でしょう。また、一つの茶碗を一つの記事で紹介するのではなく、一つの茶碗を複数の記事に分けてアップする予定です。ブログ更新の手間や負担を軽減し、なるべく長く続けて行きたいですし、かと言って大雑把な記事にはしたくありませんから、そういう方式にしたいと思います。

 あ、それと、人名については失礼ながら全て敬称を略させていただきます。人名は主に茶碗の作者として出て来る予定なのですが、お若い方もご高齢の方も、既に亡くなられた方、殆ど歴史上の人物と言える方もいらっしゃる訳で、それぞれに敬称を使い分けるのも、どうもしっくり来ないと感じるからです。ご了承下さい。

 ・・・という事で、前置きが随分と長くなってしまいましたが、このブログのコンセプトはご理解頂けましたでしょうか。
 では、次回からいよいよ本編に入って行きたいと思います。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。m(__)m







はじめに その2 [茶の湯雑感]

林亮次01_01.jpg 抹茶茶碗を集めるようになって、物だけでなく知識や情報も欲しいので、書店やネット上を色々と徘徊しておりますと、気付く事がありました。

 それは、抹茶茶碗についての知見や情報は、茶道家による茶道視点のものか、プロ or アマ問わず陶芸家による製作者視点のものか、或いは骨董商や美術商による販売者視点のものか、この三つの何れかに属するものが殆どだという事です。茶道家でない一般ユーザーによる情報発信は、殆ど散発的にしか見られず、それなりに纏まったものが見つけられません。もしかしたら茶道家ではない一般ユーザーというのが、抹茶の世界には殆どいないのかも知れないのですが、この状況は私にとっては非常に物足りません。

 茶道具を売っているお店に初めて行って最初に店員さんに聞かれるのは、
「茶道をなさっていらっしゃるんですか?」
という質問です。
 ・・・茶道をやってなきゃ抹茶を楽しんじゃいけないのかよ・・・、と言いたくもなりますが、実際、何かと決まり事の多い茶道の存在が、庶民から抹茶の楽しみを遠ざけている要因の一つにもなっているとは感じます。もちろん、抹茶その物の価格が高いというのも大きな要因ではありますが。
 ですから、茶道の視点に拘らずに抹茶茶碗の魅力に嵌っていくのも、それなりに意義があるのではないかと思うようになりました。

 茶碗製作者視点の情報は、茶碗ファンとしては大変に興味深いのではありますが、必ずしも自分の好きな陶芸家が積極的に情報発信しているとは限りませんし、一人の陶芸家の作品全てを無条件に気に入るとは限りません。また、やはり何処まで行っても製作者の視点とユーザーの視点というのは、対象についての見方は一致しないものです。
 ですから、純粋なユーザー視点の纏まった情報発信というのも、一人のファンとしては欲しい所です。

 恐らく質と量で最も頼りになる情報源は、広く品物を扱う骨董商や美術商からのものです。大変勉強になります。ただ、彼らの情報は「販売価格」という世間一般の評価基準(或いは評価結果)に基づいたものであるので、必ずしも一人のユーザー個人の評価とは一致しません。また、販売というシチュエーションでの台詞(例えば販売サイトでの解説文とか)は、売らんがための美辞麗句が並ぶ事が多いですし、飽くまで世間の評価結果が基準ですから、これから世間の評価を形作っていく元とはなりません。或いは、「価格」が基準となるだけに、どうしてもお金をより多く出せる人=富裕層の好みに寄り添いがちになります。
 ですから、売り手側の情報発信だけでは、どうしても片手落ちだと感じます。

 そういう訳で、売り手でも作り手でもなく、且つ茶道に縛られない一般庶民ユーザーの視点で、抹茶茶碗を集中的に扱う情報発信が何処かにないかと、未だに探しているのですが、どうもなかなか巡り会いません。

 ・・・だったら自分でやるか・・・。そう思うようになったのが、このブログを始めた理由です。

(まだ)つづく








はじめに その1 [茶の湯雑感]

林亮次01_02.jpg 何年か前から時々抹茶を点てて頂くようになりました。

 一番最初は、何かで貰って家に前からあった茶碗と茶筅と茶杓を使って、同じく何かで貰った抹茶を、何となく味わってみただけでした。それで、せっかく開封した抹茶一缶なので、それがなくなるまではと思い、そこから時々抹茶を点てては飲むようになったのですが、その内完全に嵌ってしまって、やがて自分で抹茶を買ってきて休日の度に飲むようになったんです。

 こうなって来ると、それなりの道具も欲しくなって来るもので、最初はリサイクルショップで数百円の抹茶茶碗を物色していたのですが、それでは飽き足らず、やがてネットオークションやら骨董店やらで所謂「作家物」の茶碗を買い集めるようになりました。まあ、元々私にはコレクション癖があって、好きになった物はついつい買い集めてしまうものですから、抹茶茶碗についても同じ事になってしまった訳です。

 一方、抹茶を楽しんで、茶碗も集め始めたので、ちゃんと茶道なんぞを習えば良いのではないかという考えも浮かんだのですが、生憎、私は子供の頃に膝を痛めて、今でも正座が長時間出来ません。それに、自分が抹茶で楽しむのは好きでも、他人を抹茶で持て成す事には全く興味が湧きません。これでは、茶道は習えません。ですから、茶道に関しては自分の都合のいい所だけを自分で調べて取り入れるだけにしました。

 また、抹茶茶碗を集めるなら、そこから発展して、陶芸全般をウォッチするという道もあるかも知れないのですが、これも私には興味が湧きません。日常の食事で使用する食器類は、廉価な大量生産品の方が気兼ねなく使えて良いですし、抹茶以外のお茶は冷たい烏龍茶ばかり飲むので、湯呑みは使う事がありません。小さくて集めやすいグイ呑みも、自宅で日本酒を呑まない私には意味がありません。使いもしないのに集めるだけというのもねぇ・・・。ましてや、花器やオブジェの類となると、もう全く無縁の世界で・・・。

 別の方向の広がりとしては骨董全般というルートもありますが、こっちも私にはピンと来ません。書画には興味がありませんし、陶磁器に絞るにしても、古い物を本当に古い物だと特定出来るだけの眼力が私にはありません。偽物は掴みたくありませんし。ですから、今集めている茶碗にしても、自分で調べて本物だと特定出来るだけの情報が見つけやすい近現代の作品しか買っていません。
 骨董・中古市場に出回る近現代の作品は、私にとっては都合が良いです。周辺情報が集めやすい上に、骨董的付加価値が付く前の「中古品」という位置付けなので、恐らく価格的には底値でしょう。世間での評価を気にせず、自分の好みだけでコレクションするには絶好のタイミングなのです。

 こうして私は抹茶茶碗ばかりを集めるようになりました。

つづく(笑)








タグ:抹茶 茶碗
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