So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン
楽・京 ブログトップ
前の5件 | -

小川欣二-1 伊羅保茶碗 高台と窯印 [楽・京]

小川欣二01_06
小川欣二01_07
 小川欣二・伊羅保茶碗の高台と拡大撮影した窯印です。高台の写真では茶碗正面を上に、窯印の写真では正面を下にしています。

 高台の外径はほぼ真円なのですが、内径の削りはずれていて、ちょっと三日月高台のようになっています。でも、兜巾は綺麗にセンターにあって、全体に少しだけ変化のある景色になっています。

 高台脇は、腰の部分で釉薬がきっちり止められていて、ここも綺麗な真円状の土見せになっています。高台脇の削りも均一です。土見せから見える土は、小さめの砂粒が混ざった茶色い土で、磁器にはない陶器らしい味わいがあります。ただし、茶碗を爪で弾くとカンカンと金属音に近い音がするほど非常に硬く焼締められていて、確かにいらいらした手触りではあるのですが、ほとんどいらいらを通り越してチクチクした手触りになっています。こういう硬さが、この茶碗の味わいの一つになっています。

 窯印は丸に「欣二」と入っています。印の直径は1cm程しかなく、窯印としては小さい方だと思います。意外に控え目な主張具合です。

 という事で、小川欣二の伊羅保茶碗でした。こういう独特の味わいがある茶碗が、買いやすい価格で手に入るのは嬉しい事です。中古ですけど。(笑)

おわり








nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

小川欣二-1 伊羅保茶碗 見込み [楽・京]

小川欣二01_05
 小川欣二・伊羅保茶碗の見込みです。この写真では、茶碗正面を上にしています。

 全体にグリングリン塗られた刷毛目の渦巻きが良く分かると思います。この渦巻きの中心のように見える部分は、実は茶碗のセンターから少しずれていて、それが見込みの景色に変化をもたらしています。逆に、この写真では分かり難いですが、茶溜はセンターに綺麗に整形されており、こういう部分でもカチッとした作りになっています。形状の整い具合と刷毛目の乱れ具合の対比が、この茶碗の面白味の一つだと思います。

 口縁部は、唐津焼で良く見られる皮鯨のように黒く塗られています。ここを黒く塗ると、全体的な景色が引き締まって見えて、個人的には好きな装飾です。

 口造りは、全体に均一に薄く仕上げられています。飲み口は特段設けられていません。「正面」は絵があるので明白ですが、それを考慮しなければ、何処からでも快適に茶を飲めます。こういう作り方は、整った造形の茶碗では普通ですが、面白味という意味では物足りません。

つづく








nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

小川欣二-1 伊羅保茶碗 背面と両側面 [楽・京]

小川欣二01_04
小川欣二01_02
小川欣二01_03
 小川欣二の伊羅保茶碗を各方向から写しました。上の写真が背面、二枚目が正面向かって左側面、三枚目が向かって右側面です。

 小さな釉薬の縮れが全体にあり、また一番表面に塗られた薄っすらとした釉薬が所々流れているのが見て取れます。この茶碗が全体的にはカチッとした風貌で、且つ派手な刷毛目模様なのに、何処となく渋い雰囲気を醸し出しているのは、こういった釉薬のディティールによるものなのではないかと思います。

 小川家というのは京都の名門陶家だそうで、小川欣二自身も幾つもの受賞歴があります。けれども、ネットオークションに出てくる中古品の落札相場は決して高い方ではなく、かなり買いやすくなっています。どうもこの作家の場合、同じ手の作品を同時に幾つも作る傾向があるようで、作品の希少性が薄くなって価格が上がらないのだと思います。実際、この作家のとある作品は、同じ手の異なる個体が何個もネットオークションに出品されたりします。逆に言えば、何個も作られた物ぐらいしかネットオークション上に出てこないとも言えます。
 で、この伊羅保茶碗の場合、実は最初に見た時にはそれほど気になりませんでした。けれども、似た釉調のフォルム違いは他で何度も見た事があるのに、この形のこの釉調の物は、これしか見当たりません。最初は気にならなかったのに購入に踏み切ったのは、買いやすい価格だった事もさることながら、他で見ないタイプだったというのが大きな理由です。まあ、でも買って使い始めたら、だんだんと良さが分かるようになってきたのですが。

つづく








nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

小川欣二-1 伊羅保茶碗 正面 [楽・京]

小川欣二01_01
 小川欣二(1926-)の伊羅保茶碗です。絵が一箇所のみなので、そこを正面としています。この向きで窯印はほぼ裏側5時半くらいの所に来ます。

 伊羅保茶碗というのは、本来は高麗茶碗の一種とされ、砂混じりの肌の手触りがいらいら(ざらざら)している所から、そのように呼ばれているそうなのですが、現代ではそれに似たような作風の物も「伊羅保」と呼ばれる場合があるようです。この茶碗も共箱に「伊羅保茶碗」と書かれています。ただ、小川欣二は京都の作家なので、ここのカテゴリーでは「楽・京」に入れました。

 この茶碗では、砂混じりの茶色い土に、全体的に刷毛目を強調した黄色の釉薬がかかっています。そこに笹か草か良く分かりませんが絵が描かれ、全体的に渋派手な景色となっています。フォルムはカチッと整形されていて、且つ焼成温度が高いのか、手触りも随分と硬く、非常に男性的で力強い感じがします。

 私は元々自然な乱れがフォルムにも現れている茶碗が好きで、これを買った後も「う~ん、こういうカチッとした形の茶碗って、どうなんだろう?」と思っていたのですが、何度か使っている内に次第に馴染んで来て、こういう茶碗も悪くないなと思うようになりました。この茶碗は、そういう後からジワジワくるタイプです。

つづく








nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

佐々木松楽-1 黒楽 掴み跡 [楽・京]

佐々木松楽01_08
佐々木松楽01_09
 佐々木松楽作・黒楽茶碗の掴み跡です。外側と内側からそれぞれ撮影しています。

 黒楽では、釉薬を黒く発色させるために、窯の中で真っ赤に焼けた状態の茶碗をやっとこで掴み出し、そのまま直ぐに水に浸けるなどして急冷します。真っ赤に焼けた状態の茶碗を金属のやっとこで掴む訳ですから、釉薬は柔らかくなっており、掴み跡が残るのです。引き出し黒とも呼ばれるこの技法は、瀬戸黒等の他の黒い焼物でも使われており、それらの焼物では必ず掴み跡が残っています。勿論、普通に焼いても黒く発色する釉薬もありますから、そういう釉薬を使った焼物では掴み跡はありません。

 この茶碗の場合、外側と内側で掴み跡が上下にずれているので、垂直に真っ直ぐ掴んだのではなさそうです。こういう所に職人の仕事ぶりがリアルに現れて興味深いです。

 ・・・と、まぁ、そんなこんなで、安い価格の普及品の黒楽ではありますが、色々と考えさせられる茶碗なのでした。

おわり


P.S. 新年明けましておめでとうございます。







前の5件 | - 楽・京 ブログトップ